2008年03月

ひたすらGiveしましょう! 3

2008年03月31日

Winners don't punish. Nature, Vol.452, Pages 348-351, 2008.

ネイチャーより。

目の前に仕事で困っている友達がいます。
その仕事を手伝ってあげると、友達は大変助かるはず。

さて、あなたは友達を助けますか、助けませんか?それともその友達に、最初っから困るんだったらそんな仕事を引き受けなきゃよかったのに、と忠告しますか?

こんなことは案外身近でよくおきますよね。そして自分が困る側になって助けを求める場合もよくあります。世の中には助けて〜と言ったら、良く助けてくれる人、ほとんど助けてくれない人、助けないどころか逆にくどくどと説教をする人などいろんなタイプの人がいますよね。

ま、人助けをしない人は自分の利益にはならないよって考えている人が大多数なのではないでしょうか。

じゃあ実際、人助けって他人の利益にはなるけど、自分の利益にはなるのかな?というのを科学的に解析したのがこの論文です。

ハーバード大学のビジネススクールの学生104人を被験者に、お互いがペアになって、3つの選択肢を選択するだけの単純なゲームを繰り返してもらいました。その選択肢とは・・・

1. 協力する。自分の持ち点が1点減る代わりに相手の持ち点が2点増える。
2. 協力しない。自分の持ち点が1点増えて相手の持ち点が1点減る。
3. 相手を批判する。自分の持ち点が1点減って、相手の持ち点が4点減る。

これを1回のゲームで双方のペア同士、選択してもらい、一番持ち点の高いのはどういう選択をした人か、調べました。

すると、ひたすら協力する人が実は一番持ち点が高く、相手を批判すればするほど、自分の持ち点が減りやすいということが統計的にもわかったそうです。

つまり、相手のために、とひたすら相手にGiveしてあげて、それによる成功を全くねたまなければいつかはその人からそれ以上の見返りが来ますよ、ということです。

今回の実験は一つのモデルで、点数の付け方だとか、実際のわたしたちの周りは1対1の社会ではなく、もっと複雑な協力で社会はなりたっていますが、道徳的要素を科学的に解明したのは面白いですね。

まさに、情けは人の為ならず、です。



助け合いは大事です 3

2008年03月22日

Facultative cheater mutants reveal the genetic complexity of cooperation in social amoebae. Nature, Vol.451, Page 1107-1111, 2008.

ネイチャーより。

私たちはみんながみんな手に手をとってお互い助け合って生きている訳ですが、他の生物、しかも私たちが下等だなあと考えている生物も実は助け合って生きています。

単細胞生物であるアメーバの一種、タマホコリカビは普段は単細胞生物として存在していますが、まわりの環境が厳しくなると寄り集まって多細胞生物になり、互いの細胞同士が助け合いながら生存維持をはかるそうです(胞子体、という形に細胞が集まって変わるそう)。

ただ、一部の細胞は、他の細胞から助けてもらうだけで、自分からは他の細胞を助けないというものもいて、そういう細胞が多くなると協調できずにバラバラになってしまう、ということがおきるそうです。

これって、自分さえよければいいと考える人がいる人間の世界と一緒だよね、と思ってしまう訳ですが。。。

今回は、ごまかす細胞達は、一体どういった遺伝子が正常なものから変わってしまったためにできたのかを調べたそう。そうしたところ、100を超える、それぞれ全く機能の異なる遺伝子がごまかしに関係しているそうです。ごまかす犯罪の手口もたくさんあったということですね。

こういった犯罪に対抗すべく、防御策ができた進化した結果が、私たち人間の細胞の情報のやり取りにつながっていったのでは、と結んでましたが・・・

全くもって私たちの社会と生物のしくみって似てると思いませんか?

卒業パーティー 3

2008年03月19日

aa551aac.jpg卒業式のあと、各学科ごとに卒業パーティーがありました。

生命工学科の卒業パーティーの時に撮った集合写真です。

卒業式 3

25e28dd4.jpg18日は東京電機大学の卒業式でした。
卒業したみなさん、本当におめでとうございます!

写真は東京電機大学の卒業式会場、日本武道館にて卒業生にエールを送る応援団の人たちです。

神経の再生が学習効果に関係ある! 3

2008年03月10日

A role for adult TLX-positive neural stem cells in learning and behavior. Nature. Vol451, Pages 1004-1009, 2008.

ネイチャーより。

昔は哺乳類の脳にある神経細胞は、年をとるにつれて死んでいって、数が減少するだけです、と思われてました。僕も大学でそんなように学びました。

でも、最近では脳の一部には、神経細胞を再生させる(神経細胞に形や機能が変わる)「神経幹細胞」というものが存在していることがわかってきています。実はそれらが神経細胞になることで脳の重要な働きである学習や記憶に関係していることまですこしずつですけど明らかになりました。

ただ、どの学習効果の時に、どうやって神経幹細胞が関与するのか、そのメカニズムはブラックボックスです。
この論文は空間を把握する時に神経幹細胞にある、TLXというタンパク質が関係している、ということを見つけたもので、はじめの一歩ともいえる研究です。

このTLX、神経幹細胞の表面にあるタンパク質で、細胞の外からの情報を内側に伝達する役割をもっているものです(受容体と言います)。実はこのタンパク質を発生段階からなくしてしまうと(TLXのタンパク質をつくれない実験動物=マウスをつくる)、正常な個体の発生が起こらないため、TLXの重要性はわかっていました。

でも、おとなになったときにTLXをもっている神経幹細胞はどんなことをしているのか?

知りたいのはこのことなのに、正常な機能をもったおとなにならないのでは調べようがありません。

そこで、ある薬剤を飲ませた時だけTLXがなくなるようにしたのです(簡単に書いてますが、ここが一番大変であり、一番のポイントです。詳しく書くと、Cre-lox組換え法を用いています)!

そうすると、TLXがない、正常なおとなのマウスをつくることができました。このマウスの脳を調べると、神経幹細胞の増殖が起こらないこと、また空間を把握する学習能力が低下することがわかったそうです。ちなみに他の学習には影響がなかったとか。

恐らく、この実験方法を使うことによって、神経幹細胞にある他のタンパク質は、また今回とは違う学習に関与する、なんて成果がでてくるでしょうね。

ブラックボックスだった学習について、科学的に解明ができそうですね。




後期末成績発表 4

2008年03月03日

3月8日(土)に後期末の成績発表があります。
詳しくは理工学部ホームページ、在学生の方へを参照して下さい。

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