2010年03月

再生心臓! 3

2010年03月31日

Zebrafish heart regeneration occurs by cardiomyocyte dedifferentiation and proliferation. Nature, Vol. 464, Pages 606-609, 2010.

昨日まで岡山でおこなれていた日本薬学会に参加していました。私の研究室からも私を含め、学生も数名発表しました。

学会に参加すると、その道のプロ達がたくさんいるので関連の発表を聞いたり、討論することで非常に勉強になります。ただ、ここから岡山はちょっと遠い。ということで、いろいろな読み物を持ち込んだのですが、今回はその時に読んだ論文。

ゼブラフィッシュは小型の熱帯魚でよくモデル生物として使用されますが、この動物の心臓は哺乳類とは違って、心臓がある程度傷害を受けても再生する能力を持つことが知られています。

では、再生された心臓(心筋細胞)はどこから来たのか?ES細胞のような幹細胞からできたのか?

目印をつけて解析を行った結果、実は新たな細胞は、隣にあった心筋細胞由来でした。つまり、幹細胞から新たに細胞が作られたのではなく、元々心筋細胞だったものがいったん未分化な状態になり、数を増やしてまた同じ心筋細胞に分化した、ということのようです。

なぜ哺乳類ではこのような機構が進化の過程で抜け落ちてしまったのか?
また、哺乳類でも工夫すれば心筋細胞は増殖させることができるのでしょうか?

ちなみに今回も別なグループからかなり似た論文が同じ号にでています。読み比べるのも面白いかも。
 

居室、研究室の移動 3

2010年03月26日

今日は暖かくてとても気持ちのいい日でした。桜もそろそろ咲きそう。
旅立って行く卒業生を見送るのはいつでも少し寂しいものですが、また新たな素晴らしい出逢いに期待しましょう。


さて、生命理工学系内でも一部の研究室、先生方の居室が新年度から移動になります。
下記に変更後の部屋を記載しましたので、訪ねる時の参考にして下さい。

内田先生居室:2426
内田研実験室:2342
宮脇先生居室:8310
宮脇研実験室:8402、8404
村松先生居室:12308B
村松研実験室:12304
長原先生居室:12207A
安部居室:12309
安部研実験室:12302北側


しぱらくは迷ってしまいそうですね…。
安部研実験室もいよいよ開設です興味のある人はぜひ寄ってみて下さいね!


文責:アベ

ミトコンドリアが招く体の不調 3

2010年03月23日

Circulating mitochondrial DAMPs cause inflammatory responses to injury. Nature, Vol.464, Pages 104-107, 2010.


安部先生からの質問ですが、うちの研究室が旅行でどこにいったのか?興味ある方は研究室のホームページを見てみて下さい。

先週は研究室の旅行もあったのですが、大事な行事、卒業式もありました。卒業生のみなさん、おめでとうございます!!


さて、今回の論文。細菌感染により重篤な炎症が起きてしまう(敗血症といいます)ことがありますが、 このような炎症作用は自分自身の細胞内にある、細胞小器官ミトコンドリアからの成分が組織中に漏れでてくることによっても起きる!というもの。


こまかくいうと、細菌が炎症を起こす時と同様に、ミトコンドリアのDNAが組織に漏れでると、それを自分とは違うDNA(異物)と組織が認識して排除しようと炎症が起きる・・・というものですが・・・

これって、ミトコンドリアはもともと太古の昔に共生した細菌の一種だったから!と考えると納得ですよね。

 

東京電機大学理工学部環境フォーラム 5

2010年03月19日


多足類もまとめて「虫」と言ってしまったりするわけですが。
前回長原先生がご紹介下さった、昆虫類は陸上にいるムカデやヤスデのような多足類よりも、水中にいるエビやカニといった動物に系統的に近い、というのはとても興味深い結果ですね〜。
そしてこの論文の系統樹のFig.がまた良いですね〜。形態比較をしながら分子系統樹が見れる


それにしても、虫が次々と入って来る浴室って…。喜ぶ学生もいると思いますが。
今年の長原研の研究室旅行はどこに行かれたんですか?




先週の土曜日、東京電機大学理工学部環境フォーラム2010「大学における環境改善への取り組みと地域環境問題」という講演会が本学で行われました。
埼玉県環境部環境政策課の方が県の現在の環境状態とその対策について、東松山市および鳩山町の方々が各自治体の取り組みについて、大東文化大学、山村学園短期大学および本学の先生方が大学で行っている地域環境問題への取り組みについてご講演下さいました。また、本学の学生環境推進委員会の代表者も委員会の取り組みについて発表してくれました。

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恥ずかしながら私はこれまでに地域環境という問題に直接触れることがあまり無かったため、大変興味深く講演をお聞きしました。
話を聞いていて感じたのは、自治体の方々は学生達の地域への協力を強く望んでいるということです。皆さん、有り余る若いパワーをぜひ地域環境のために活かしてみませんか?

東松山市 環境まちづくりパートナー
http://higashimatsuyama.blog100.fc2.com/blog-category-24.html

鳩山町 
段ボールコンポスト「クンタくん」による生ごみ減量の取組み
http://www.youtube.com/watch?v=vWadAmJQdlk
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東京電機大学理工学部 建築・都市環境学系 高田研究室(都市・交通計画研究室)
http://www.plan.g.dendai.ac.jp/


興味が湧いた方は山名先生、村勢先生、本学の学生環境推進委員会、あるいは安部に詳しい話を聞いてみて下さい。もちろん、自治体等に直接問い合わせてみるのもよいと思います。

なんかおもしろいことないかな〜と時間と力を持て余しているそこのキミ、ぜひそのエネルギーを活用して下さい


文責:アベ


昆虫はムカデよりもエビと親戚です 3

2010年03月17日

Arthropod relationships revealed by phylogenomic analysis of nuclear protein-coding sequences. Nature, Vol. 463, Pages 1079-1083, 2010.

つい先日研究室旅行に行ってきました。

いい宿舎だったんだけど、部屋に虫が何匹も入ってくる。どうもユニットバスの換気扇から入ってくるらしく、シャワーをかけて退治していましたが、翌朝見たら駆除前に逆戻り。どんだけ虫がいるんだか。

いやあ、あんまり気持ちのいいもんではないですよね。



さて、今回は分子系統樹のお話。生物の分類分けとして系統樹を作って進化の過程を系統分けしていますが、近年は形態から系統樹を作る方法を進化させて、DNA情報がそれら生物同士でどのくらい違うのかを調べることで系統樹を作る、分子系統樹の作成が発達してきました。

これまでに、いろいろなDNA情報を使って節足動物の親類関係を調べる試みがなされてきたそうですが、情報が不足ぎみであまりはっきりとしたことがわからなかったそうです。

そこで、今回は大量のDNA情報を用いて分子系統樹を作成したところ、昆虫類は陸上にいるムカデやヤスデのような多足類よりも、水中にいるエビやカニといった動物に系統的に近いことがわかったそうです。


結構驚きではあったんですが、確かにトンボの幼虫のヤゴは水中にいるわけだし、案外エビに近いというのは当然なのかもしれないですね。




蚊にさされないために 3

2010年03月10日

Odorant reception in the malaria mosquito Anopheles gambiae. Nature, Vol. 464, Pages 66-71, 2010.

蚊、いやですよね〜。どこからともなくやってきて、血を吸っていって、かゆくなる。


今回の論文は、蚊の中でも、マラリア(現在でも世界中では毎年100万人の方がこの病気でなくなるそうです) を媒介する蚊がどのようにして人を見分けるか、というもの。



蚊が人を見分ける方法はいろいろあるそうですが、今回研究者が着目したのは、匂い。



この蚊は79個もの、匂いを感じる受容体を持つそうで、これら1個1個の受容体が一体どのような匂いを感じることができるのか、受容体をコードしている遺伝子を匂い受容体をなくしたショウジョウバエの中で発現させた後に、110ものいろいろな匂いをかがせてその反応を調べました。



すると、その蚊がもつ受容体は人の汗に多く含まれる成分(インドールなど)に反応しやすいことがわかったそうです。

ショウジョウバエも匂い受容体を持ちますが、それらはどちらかというと熟した果物からでる匂い成分(エステル)によく反応するとのこと。



蚊にさされにくくするには汗をかいてはいけない!ですね。 

フロンティア共同研究センター利用ガイダンス, SAおよび新規TA採用予定者説明会 5

2010年03月06日

来週月曜、3月8日の連絡です。
前回、就職セミナーの案内をしましたが、就職セミナー後に「フロンティア共同研究センター利用ガイダンス」と「SAおよび新規TA採用予定者説明会」があります。該当者は忘れずに参加して下さい。


「フロンティア共同研究センター利用ガイダンス」
日時:3月8日(月)16:00-16:30
場所:第2メディアルーム
対象:H22年4月1日以降、フロンティア共同研究センターの利用を希望する学生


「SAおよび新規TA採用予定者説明会」
日時:3月8日(月)16:45-
場所:12号館3階327教室
対象:H22年度RB関連科目のSA採用予定者および新規TA採用予定者
(自分が該当するかどうか不明な場合は、所属研究室の先生、あるいは安部に確認して下さい)
*SA・TA説明会に参加出来ない場合は、安部(居室:12210A)のところに直接来て下さい。





私は山形県南陽市というところの出身なのですが、先日に学内見学に来てくれた4月からの新入生の一人が山形出身ということで、とても嬉しく思いました。
他にはどんな学生達が生命理工学系に入学してくるのでしょうか?4月がとても楽しみです。

文責:アベ

神経細胞の新たなつくりかた〜iN細胞 3

2010年03月02日

Direct conversion of fibroblasts to functional neurons by defined factors. Nature, Vol. 463, Pages 1035-1041, 2010.

やはりこの論文は生命理工学系として触れない訳にはいけない、ということで。。。

これまでも、何らかの機能を持つ(分化した)細胞をつくり出す方法として、ES細胞やiPS細胞を用いる、というやり方がありました。

ただ、これらは一旦未分化な状態にした後にある特定の分化細胞を作る、というステップを踏む必要があり、時間がかかるうえに未分化なまま残ってしまう細胞もあり、ガン化してしまう恐れもあります。

そこで、この論文では、神経細胞とは別の分化した細胞である線維芽細胞(体を支える結合組織にある細胞)に対して、3つの遺伝子(Ascl1, Brn2, Myt1l)を導入することで神経細胞に変えることができた!ということを報告しています。

神経細胞に誘導できた、ということでできた神経細胞のことをinduced neuronal (iN)細胞と名付けていますが、このiN細胞、ES細胞やiPS細胞のように神経細胞以外に変えることができるのか、今回行ったマウス以外の動物、ヒトでも可能なのかなど、ますますの研究が必要そうです。

ちなみに、なぜ今回3つの遺伝子だったのか?これは神経細胞で主に発現している遺伝子19種を選び出し、線維芽細胞にその遺伝子をくみこんでいって、神経細胞に誘導できる遺伝子5種を選定して、またそこから最終的な3種を場合分けして選定、というなかなか時間のかかる経過の後に見つかったみたいです。 

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