2010年06月

自分のDNA情報、いくら払って知ってみたい? 3

2010年06月30日

Science after the sequence. Nature, Vol. 465, Pages 1000-1001, 2010.

いやー、日本、残念ながらワールドカップで負けました。でもこの日は日本サッカーにとって忘れられない日になるでしょう。

ということでワールドカップ観戦のため通常は昨日更新するはずのブログは急遽水曜日に。数少ない、期待して毎週みてくれている方々、大変申し訳ありませんでした。


さて、生物界にとって忘れられない日の一つに、2000年6月26日があります。


この日は、アメリカのホワイトハウスにてヒトゲノムの全塩基配列の解析がほぼ完了(ドラフト)したことを発表した日です。

その日から今年でほぼ10年。ヒトのDNA情報が全て明らかになったことが何をもたらせたのか、Natureは1000名以上の生命科学者にアンケートをとりました。

すると、
・69%の人はこのことを通じて科学者になろうと思った、もしくは研究対象を変更した
・今たりないのは膨大な情報をまとめることのできる科学者とそれを補佐するコンピュータやプログラムソフト

ということで、DNA情報は今日の生物学研究では必須になっていることが浮かび上がってきます。


ただ、面白い質問が。
Q あなたのゲノム塩基配列解析のため、いくらまでなら払うことができますか?

にたいして、10000ドル以上払ってもいいという人はゼロ。100ドル、もしくはタダだったらという人が全体の30%ずつで一番多い結果に。

また、17%の人は他人がお金を払ってくれるといっても自分の情報は知りたくない!とのこと。


自身の研究対象のことは知りたいけど、自分自身については知りたくない。研究者の人間性がでてくる質問でした。
 

RBタテコン 3

2010年06月26日

今週の木曜日には前々からお知らせしていたRBの『タテコン』がありました。
1年生から院生、先生方まで、みんな揃っての会というのはめずらしいのではないかと思います。
良い企画ですね〜。

ではでは、タテコンの様子を写真と感想でお届け致します。
DSC02749

DSC02752

DSC02754

DSC02756

DSC02757

・ゲームが楽しかったです。実行委員の皆さんありがとう。(Iさん)
・チーム対抗クイズでは、先生はもちろん、これまで交流のなかったRBの後輩達や先輩方とも仲良くなれて良かったです。(Tさん)
・先生方の意外な一面を知ることが出来て嬉しかったです。(ひろあき)

とっても好評だったようです。
実行委員達のみんなが頑張ってくれたおかげですね
会を盛り上げようと、実行委員だけでなく友人達や昨年の実行委員の人達や院生達が身を削って盛り上げてくれている姿にちょっと感動致しました
最後の挨拶で村勢先生もおっしゃっていましたが、RBを象徴するような、とても『いい感じ』の会でした。


一体どこまで進化は続く? 3

2010年06月22日

Sequence space and the ongoing expansion of the protein universe. Nature, Vol. 465, Pages 922-926, 2010.

生命の情報を保存しているDNA。このDNAの一部、遺伝子が何らかの拍子で変わってしまうと、遺伝子の情報を利用してできるアミノ酸が変化し、ひいてはアミノ酸がつながってできるタンパク質の構造や機能が変わります。これが積み重なると進化につながります。


今回は、生命の進化は一体今後いつまで続くのか?という疑問に対して、それなら最古の生物から、現存する進化した対極の生物達(菌類を使用しています)の情報をオンラインデータベース上で入手し、それぞれのアミノ酸の変化度合いを調べたそうです。


すると、両者が別々の種になってからかなりの年月が経っているのにも関わらず、それほどアミノ酸の変化がない、つまりはまだまだ進化する余地は十分に残っていることがわかったそうです。




どうでもいいことですがこの研究、PC一台あればあとはアイデアでやったかなりコストパフォーマンスに優れたもののようです。見習いたい・・・ 

脳トレの限界 3

2010年06月15日

Putting brain training to the test. Nature, Vol. 465, Pages 775-778, 2010.

脳トレゲーム。はやりましたね。
僕なんかは同じものをこつこつやるのがきらいなんで一回しかやりませんでしたが・・・


この論文では、約1万人を対象に、3つのグループに分け、
1) 推理力、計画能力、視覚空間認識能
2) 計算力、視覚空間把握能力、注意力、記憶力(一般的な脳トレゲームの内容だそうです)
3) 知識力

に関してのオンラインクイズを6週間にわたって解いて、トレーニングをしてもらいました。

トレーニング前とトレーニング後に、1~3の内容のクイズ全般に関してのテストを行ったところ、被験者がトレーニングをした内容に関してはスコアの上昇が見られたけれども、それ以外の内容に関しては変わらなかったとのことです。


脳トレゲームをやれば、頭がよくなる!というのはまやかしだ!ということなんですが、よくよく論文をみてみると、6週間のトレーニングでのデータの差が微妙です。これで果たして科学的に変化があるないって言っていいのかな。

もしかしたら6週間でなく、半年やったら、いやいや、3年続ければ実はトレーニング効果が得られるんですよ、ということになるのか?


今回の論文は、短期間に頭が良くなる訳ではありませんということを伝えているのかも。

学生実験室案内 3

2010年06月12日

上司(先生)が若ければ若いほど、その部下は将来有能な上司になる!?
それはもしや反面教師というものなのでは…。身にしみる調査結果ですね…。
もちろん、情熱だけは先生方に負けないようにとは思ってはおりますが!


本日はオープンキャンパスでした。たくさんの高校生達が来てくれてとても嬉しかったです。
もうみんな進路のことをしっかり考えているんですね。
来年の新入生達も楽しみです!!

そんな受験生達のアクセスを期待して、生命理工学系探検第2弾をお届けしたいと思います。
第1弾「庶務室」はこちら)
生命理工学系の学生が研究室の次に馴染み深い場所、と言ったら「学生実験室」でしょう。
生命理工学系の学生実験室は12号館1階に3部屋あります。
DSC02626  DSC02629






そして実験準備室には庶務の鞍川さんと猪岐さんがいらっしゃいます。お二人は皆さんが実験に集中出来るよう機器や試薬など実験室の環境を整えて下さっています。感謝の気持ちを忘れないようにして、実験室を使った後は後片付けをしっかりしてキレイに使いましょうね!
DSC02619








そんなお二人から皆さんへ、ありがたいお言葉を頂きました。
『学生実験や実験室のことでわからないことがあったら、いつでも気軽に聞いて下さい

そして、実験室に行く時には白衣を忘れないように!



文責:アベ

上司は若ければ若いほどいい? 3

2010年06月08日

The role of mentorship in protege performance. Nature, Vol. 465, Pages 622-626, 2010.

こんな論文もあるんですね。

この論文は、数学者の系譜データベースを利用して、上司(この場合は先生ともいえますね)が部下(弟子)を育てる能力に違いがあるのかを調べたものです。


一般的には、有能な上司(たくさんの部下を率いた人)から薫陶をうけた部下はまた有能な上司になりえると考えられがちですが、データベースから見られた傾向は・・・



実は有能かどうかは関係ない!


重要なのは上司が若い時に教えられた部下は、後に能力のある上司になりやすく、いくら有能な上司のもとにいても、その上司の年が取りすぎていると、いい上司となる部下が育たないというのです。

数学者での場合に限定されるのかもしれないですが、上司の経験よりも情熱やアイデアが勝るんでしょうかねえ。 

大宮東高等学校の生徒さんたちが来校しました 4

2010年06月02日

僕がニュースを書くのはずいぶん久しぶりです。

6月1日、大宮東高等学校の2年生の生徒さん達が鳩山キャンパスに来校しました。

大学ではどういう授業が展開されるのか、模擬授業として僕が授業を担当しました。
みなさん、僕の授業は理解できたでしょうか。いつも初めての方の前で話をするのは雰囲気をつかむのが難しくて緊張します。。。


DSCF0041


ぜひ、これを機会に大学というところについて興味をもって、日々の勉強も頑張って下さいね。そして、生物にも興味をもっていただければうれしいです。

6月12日(土)にはオープンキャンパスもありますので、この学系を詳しく知りたい!という高校生のみなさんはぜひ遊びにきて下さい。


そうそう。この前の安部先生が紹介のScienceに載っていたこの論文。これはゲノム解析で有名なベンター博士の研究成果なんですよね。今は自分で研究所を作ってそんなことをしていたんですね〜。 

天使と悪魔 3

2010年06月01日

CD95 promotes tumour growth. Nature, Vol. 465, Pages 492-496, 2010.


なぞなぞ。



ある時は天使なのに、いきなり悪魔にひょう変してしまうものってな〜んだ?




答えは、あかちゃん(娘の考えていることはよくわからないです)!



ということではなく、今回の論文でいうと答えはCD95というタンパク質なんです。


実はCD95というタンパク質は別名Fasとも呼ばれていて、細胞の表面に存在しています。このCD95というタンパク質にくっつくものが現れると、CD95側の細胞が死ぬことから、CD95は細胞死の引き金となるタンパク質であると考えられてきました。


でも、この論文では、CD95がないとむしろ細胞が増えにくくなり、CD95は生存維持に必要なタンパク質です!というこれまでの考えとは全く違うことを発見したんです。

なぜ、こんな正反対のことが起きたのか?どうもCD95にくっつく相手の形により死ぬ場合と生きる場合があるみたいです。


まさに、CD95は天使と悪魔の両面をもっているタンパク質なんですね。 

訪問者数

ブログ管理者