2010年09月

マラリアはゴリラから人間に感染した!? 3

2010年09月28日

Origin of the human malaria parasite Plasmodium falciparum in gorillas. Nature, Vol. 467, Pages 420-425, 2010.

安部先生紹介の論文、確かにsupplement data(電大からしかアクセスできません)を見ると赤く光ってますね〜。

さて、今回の論文はマラリアについて。エイズの原因であるウイルス、HIVは元々感染してたチンパンジーを人間が食べた(!)ことにより現在では全世界まで感染が広がったと考えられています。では、マラリア原虫もHIVと同様にチンパンジーから感染したのか?


それについて調べるべく、DNA解析を行った結果、人に感染しているマラリア原虫はチンパンジーではなく、ゴリラに感染するマラリア原虫とかなり似ていて、どうも人に感染するマラリア原虫の起源はゴリラに感染するマラリア原虫だ!ということだそうです。


ただ、いつゴリラから人間に感染したのかは不明で、もしかしたらもっと対象動物の数を増やすとゴリラの他にもいた!ということも考えられるとは思います。普通チンパンジーだろうなあ、という考えが否定されたことは面白い研究結果ですね。 

赤い葉緑素 3

2010年09月23日

久しぶりのブログ更新となってしまいました…。
夏休み中はネタがあまり無いので…などと言い訳をしてみるも、後期始まってもネタ(連絡)は特に無く…今週も論文紹介を。


A Red-Shifted Chlorophyll
Science, Vol. 329, no. 5997, pp. 1318-1319.


皆さんご存知の葉緑素、つまりクロロフィルは光合成において光エネルギーを吸収する緑色の色素なわけですが。
これまでずっと4種類(a, b, c, d) とされてきたのですが、この論文で5つめのクロロフィル (f) の発見が報告されています。
このクロロフィル f はある種のシアノバクテリアのみに見られ、これまで知られていたものよりもより長波長側、赤色あるいは近赤外領域の光を吸収 (706 nm) し、自身も赤色に蛍光 (722 nm) するそうです!!
恵みの光を余すこと無く利用する、ということなんでしょうか。

にしても、なぜ5番目が e ではなく f なんだろうか…。気になってしょうがない…。
(理由は、50年ほど前に別にクロロフィルeと命名された色素があったからだそうです。それを5番目と言わないのは…色々と理由があるのでしょう…。)



それでは、最近いきなり寒くなってきましたが、皆さん体調を崩さないようにお気をつけ下さい。
後期も、はじめから全開で、頑張っていきましょ〜。


文責:アベ

エルモといえば・・・ 3

2010年09月21日

Unexpected requirement for ELMO1 in clearance of apoptotic germ cells in vivo. Nature, Vol. 467, Pages 333-337, 2010.

やはり、名前で選んでしまいました・・・


論文自体は、非常にまともで、ある、異物をとりさる(貪食する)遺伝子の働きをなくしたら、細胞死を起こした細胞が体内でそのまま残ってしまったというものなんですが、その遺伝子の名前がELMO1。

エルモです。


エルモと言われると、小さい頃テレビで繰り返し流れていたため、あのマペットのエルモが脳にすりこまれており、それしか思い浮かばないんですけど・・・


まあ、遺伝子は発見者が勝手に名前を付けるものなので、他人がとやかくいうものではないのですが、今回のELMOの正式名称は、

Engulfment and cell motility protein 


省略語としてかなり無理があるような・・・

普通はECMPとはになりそうなのに、わざわざELMOにしたっていうのはやっぱり無理矢理キャラクターの名前にしたかったに違いない(この表現古いですかね)!! 

舞浜に行ってきました 1

2010年09月17日

15日から後期が始まりました。

夏休み、長いようで短いですね。
みなさんはどのような夏を過ごしたんでしょうか。
今回は論文紹介はお休みして(ネタが切れたともいいます)、教員は夏休み何をしているのか、ということをご報告します。
IMG_0009

夏休みの最後の週、僕は14日まで舞浜に行ってました。舞浜駅降りたらすぐにあるのがイクスピアリ。なんと今年で10周年だそうです。イクスピアリはほとんど行ったことがなかったんで最近できたイメージで僕の中では時が止まっていました・・・







IMG_0008イクスピアリの中にはいろいろなショップがありますよね。そのショップを通り過ぎ・・・










IMG_0007ちっとも通り過ぎてはおりませんが・・・











IMG_0010その後、舞浜と言えば、、ですね。
モノレールに乗って向かった先は・・・









IMG_0011ホテル。










IMG_0013実はこのホテルで癌関係の国際シンポジウムが開かれていたのです。そのシンポジウムに出席するため、舞浜に行っていたのです。
ただなぜ、舞浜で、というのは疑問としてありますが。大勢の人がディズニーのグッズやかぶりものをしてわいわいしている中、スーツ姿の集団が真剣にディスカッションしているのはちょっとどうなのかと。




ということで、教員は夏休みも(というより夏休みの方がかえって授業以外で)忙しいような気がしています。
 

多剤耐性菌は友達思い 3

2010年09月07日

Bacterial charity work leads to population-wide resistance. Nature, Vol.467, Pages 82-85, 2010.

抗菌剤が効かない多剤耐性菌のことが最近ニュースになっていますが、細菌が抗菌剤耐性になるしくみはわかっても、どうやって耐性菌の数が増えるのか?は未だ謎な部分が多いようです。

この論文では抗菌剤に適応できるようになる細菌の数が増えるしくみについて書かれていました。


シャーレの中に細菌を入れて抗菌剤を加えたところ、ほとんどの細菌は死にますが、ある一定数の菌が生き残りました(これが耐性菌)。ただ、そのシャーレから一部の耐性菌を取り出して、また同じ量の抗菌剤を加えてシャーレで培養したところ、生き続ける細菌もありましたが、耐性菌のはずなのになぜか死んでしまう細菌もありました。


つまり、本当に抗菌剤に対して耐性をもつ細菌は全体の一部で、その他の細菌はたまたま生きていたということになります。


では、なぜ、たまたま菌がいたのか?




それは、多剤耐性菌から、抗菌剤を体内から吐き出させ、死ににくくなる物質(インドール)をもらっていたからだったんです。 


多剤耐性菌は一見自分たちには何も得にならないことをしていますが、自分たちの仲間をできるだけ多く救うことで、今後どのような環境の変動がおきても種の一部が対応して生き残れるようにしているのでしょうね。救世主のようです。

われわれ人間からしてみると、全く余計なことですが。 

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