2010年11月

ウコンの次は・・・ 3

2010年11月30日

The party's over. Nature, Vol. 468, Page 475, 2010.

忘年会シーズンです。20才以上の人は飲酒する可能性もあるかと思いますが、気になる記事をネイチャーの論文ではなく、社説で見つけました。


アメリカFDA(日本の厚生労働省のようなところ)が若年層の急性アルコール中毒症患者が飲んでいたからということで、カフェイン入りのアルコール飲料を製造しているメーカーに、カフェインを除いた商品にするか、販売を中止するかを求めているということです(で当たり前ですがカフェインを除いた商品にするそうです)。


カフェイン入りのアルコール飲料、調べてみるとこんな商品(Four Loko)(21才以上の人しか見れないサイトになっています。アメリカはお酒に厳しいですね。)みたいで、一本3ドル以下で売られていて、学生を中心にかなり売れているそうです。FDAが問題にしているのは、カフェインが入っているとアルコールに酔いにくくなり、ついつい飲み過ぎてしまうからだそうです(ただこれについての科学的な論拠はあまりないそう)。


そもそも、本来ならカフェインが入っているのが問題なのではなく、アルコールを飲み過ぎるのが問題なのでは?


日本でも酔いすぎないように代謝向上でウコン飲料が売れていますが、カフェイン飲料を飲酒の前に飲む・・・とただの代謝が先送りになって結局は酔っちゃうからダメですね。




20才以上の方々は忘年会で飲み過ぎないようにしましょう。 

『就職セミナー』 『合同企業説明会』 5

2010年11月26日

来週の就職関連の大事な連絡を2つほど。
対象者はぜひ参加して下さいね!!


まずは学部3年生と修士1年生対象の就職セミナーの連絡です。

『製薬会社セミナー(小野薬品)』
日時:2010年12月 1日(水)16:50〜18:20 
場所:12号館226教室
対象:学部3年生および修士1年生(1・2年生の方も歓迎です)
企業担当:小野薬品工業(株)東京事務所人材開発室 阪田俊夫氏

【内容】
◎製薬業界とその職種について
◎特にMR職の具体的内容について
◎企業が求める人物像
◎質疑応答
 

次に学部4年生および修士2年生対象の合同企業説明会の連絡です。
 
『合同企業説明会および学内一次選考会』
日時:2010年12月 2日(木)
9:50〜12:00 説明会、14:00〜 一次選考会
場所:12号館124教室
対象:学部4年生および修士2年生

 
説明会と選考会がセットになっている説明会です。
参加企業など、詳しい内容が知りたい方は就職担当の栗山先生に確認して下さい。


もうすぐ11月も終わりですね…。年末ですよ。
就職関連の連絡も多くなってきました。
4年生とM2は卒研も追い込みの時期ですね。M1は中間発表会がもうすぐですね。
風邪などひかぬよう、悔いの残らぬよう、気合い入れて頑張って下さいね。


文責:アベ


生み分けに関係する標高の違い 2

2010年11月24日

Climate-driven population divergence in sex-determining systems. Nature, Vol. 468, Pages 436-438, 2010.

は虫類での話しです(念のため)。

タスマニアに住むトカゲの一種は、海水面くらいの低地から、海抜1200mくらいの高地まで生息するそうなのですが、それらの生み分けがどうやって行われているのかを調べた結果、低地では温度が生み分けの要因になり、高地では遺伝的に生み分けをしている(人間と一緒ですね)ということなんだとか。

同じ生物でも環境の違いが生み分けのシステムまで変えてしまっていた!という面白い例ですが、そんなタスマニア島って標高が高いところなの?と思ったら結構荒々しい場所なんですね。 

ものには時節 3

2010年11月17日

Reducing excessive GABA-mediated tonic inhibition promotes functional recovery after stroke. Nature, Vol. 468, Pages 305-309, 2010.

安部先生紹介の論文もかなり示唆に富んだ論文でした。
細菌は宿主が死なないようにする(そのため、自分も生きられる)こともありますが、まさか宿主のアポトーシスを利用することもあるなんて。

今回紹介の論文は、脳卒中の特効薬候補について。脳卒中の特効薬はこれまでなかったのですが、GABA受容体からの刺激を遮断する薬を投与すると、早く改善されることがわかったそうです。


ただ、投与する時が重要なんです。脳卒中が起こった直後では逆効果で神経細胞が死んでしまい、脳卒中3日後からが有効なんだとか。


投与する日にちが非常に重要!!
ということで、実際の治療にはまだまだ解決する要素がいろいろありそうですね。 

サルモネラの逆襲 3

2010年11月13日

いやー、すごいです。
今週の長原先生の初文そのままで恐縮ですが、ミオシンの動画、ほんと凄いっす。
まるで虫?
酵素(タンパク質)というのは実はかなりダイナミックに動いているようなのですが、見えないからこそ結晶化したりなんだりで、その場面場面の形から動きをなんとか想像してたわけなんですけどねぇ。


さて、タンパク質の世界はまだまだ解らないことがたくさん!ということで、今日は、食中毒の原因菌となるサルモネラ(チフス菌)は、自身が分泌する病原性因子のプロセシングに宿主の酵素を利用していた!!という論文の紹介です。

Salmonella Pathogenesis and Processing of Secreted Effectors by Caspase-3
Science, Vol. 330, No. 6002, p390-393, 2010.


サルモネラは動物の消化器系の上皮細胞内に侵入し、細胞内で増殖することにより胃腸炎を引き起こします。

で、サルモネラの侵入に際して、宿主細胞のカスパーゼ-3というアポトーシス性の酵素が活性化されることがわかっていました。アポトーシスと言えば長原先生のご専門ですが、必要でなくなった細胞のプログラム細胞死のことですね。感染によってアポトーシスを誘導するのだろう、と思われていたようですが…。

サルモネラは細胞内に侵入するするために病原性因子であるSipAというタンパク質を分泌するのですが、なんと、このSipAが宿主のカスパーゼ-3の作用によってより高い病原性を持つようになることが解りました。

SipAはカスパーゼ-3に認識されるアミノ酸配列を持っていて、カスパーゼ-3によって認識され切断されると、結果、より活動的な2つの病原性因子が作られることになります。片方は細胞に侵入する際にアクチン重合を刺激して細胞侵入を助け、もう片方は炎症を誘発します。

実際に、カスパーゼ-3遺伝子を欠損したマウスは、サルモネラによって誘発される胃腸炎にはかかりにくい、という結果も載ってます。


病原菌に対する”素早い”防御反応として宿主はカスパーゼ-3を誘導したはずだったろうに、病原菌は逆にその反応を利用してより高い病原性を持つようになったということかしら?
な、なんて絶妙な戦いなんだ…
ドキドキする論文でした。



文責:アベ

動く分子を観察する 3

2010年11月09日

Video imaging of walking myosin V by high-speed atomic force microscopy. Nature, Vol. 468, Pages 72-76, 2010.

いやー、すごいです。
ぜひ、以下の動画を見れる環境の人は見てみて下さい(たぶんどこでも見れると思います)。

ミオシンの動画

ミオシンというタンパク質(筋肉の収縮の際にも使われる動くタンパク質=モータータンパク質)がまるで歩いているように動いている模様が見ることができます。

これはコンピューターグラフィックスの映像ではなく、原子レベルで観察できる顕微鏡を用いて、実際のタンパク質の動きを生きたまま観察したものです。

ミオシンの動き方にはこれまで諸説あったそうですが、こうやってはっきりと眼で見れるとはっきりとどう動くのかがわかりますよね。


技術の進歩は素晴らしいですね。

卒アル写真撮影 5

2010年11月06日

本年度卒業予定の生命理工学系4年生および生命理工学専攻2年生の皆さんに、来週の卒業アルバム用の集合写真および個人写真撮影についての連絡です。

[全体写真撮影]
11月11日(木)12:50〜 
場所:中庭石階段(雨天の場合はプレゼンテーションホール)

[個人写真撮影]
11月10日(水)および11日(木)11:00〜17:00
場所:12310(セミナー室B)

全体写真撮影のチャンスは一度きりですので、どうかお忘れなく

また、個人撮影は10日のほうが空いていると思われますので、10日に学校に来る予定の人は10日の撮影をお薦め致します。

なお、研究室の集合写真とページも12月末までに提出して頂く予定ですので、係の人を中心に皆さんのご協力をよろしくお願い致します。


それでは、だいぶ寒くなって来ましたが、体調を崩して写真撮影に欠席などすることのないよう、気をつけてくださいね。


文責:アベ

有機リンリン 3

2010年11月02日

The evolution of the marine phosphate reservoir. Nature, Vol. 467, Pages 1088-1090, 2010.

娘がアンパンマンの歌を毎日歌ってくれるんで、「りんりんりん」というフレーズが頭から離れないため、今回はリンのお話を。

栄養がないと生物は生きていけませんよね。
リンは、窒素と同じく生物には必須の元素で、リンの存在量が地球上の生物量を規定しているのは以前の記事でも書いた通りです。

この論文は、では海洋のリンの存在量は地球の過去を通してどのように変化したのか?を追跡していきました。


すると、7億5000万年前から6億3500万年前の時代(カンブリア時代よりも少し前)に、海洋のリンの量は今10よりも倍程度多くなった時があることがわかりました。この時期はちょうど氷河期が終わった時期。氷河期の終了とともに土中のリンが海洋に溶け込み、海洋にリンが増えたことにより有機物の蓄積や、酸素の産生にもつながったのではないかと考えられるそうです。

その結果、カンブリア時代には生物種の爆発的な増加、進化が起きることになる・・・


こういう論文を読むと、私たちは地球に生かされているんだなあと感じます。  

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