2011年09月
酵素の交通渋滞?
2011年09月30日
しばらくぶりになってしまい、(もしかしたら楽しみにして下さっていた方)すみません。
明日からはもう10月ですね。早いですね〜…。
長原先生は学会で京都へ行かれたみたいですが、私も夏休み中に学会で札幌に行ってきました。
International Union of Microbiological Societies (IUMS) という微生物の国際学会です。

下の写真は北海道大学のイチョウ並木です。

学会会場は北大ではなかったのですが、近かったので見学してきました。あまりに広くて迷子になりました…。
本日はさらにちょっとだけ論文紹介を。
Traffic Jams Reduce Hydrolytic Efficiency of Cellulase on Cellulose Surface
Science, Vol. 333, No. 6047 pp. 1279-1282, 2011.
Science からセルロース分解酵素のお話です。
特に生物環境コースでは興味をもっている人も多い話題なのではないかと思います。
地球上に最も豊富に存在するセルロース系バイオマス(木材)から燃料や原料を効率よく生産することが期待されて、そのためセルロース分解酵素(セルラーゼ)の研究が進められているわけですが、このセルラーゼの反応速度はとても遅く、効率的とは言えませんでした。
ではなぜ、分解反応速度が遅いのか?
実際にセルラーゼがセルロースを分解する様子をリアルタイムで観察することにより、その原因を明らかにしています。(その映像は論文サイトの Supporting Online Material というところで見ることが出来ます。一見の価値ありですよ。)
セルラーゼはセルロースのどこにでも結合してどこでも分解できるわけでは無く、セルロースの繊維に沿って一方方向に進みながら分解しているのだそうです。
セルラーゼは一方向に同じ場所を進んで行くので、詰まって”渋滞”しているということがわかりました。なので、酵素量を増やしても分解速度は速くならないのだそうです。
そのため、セルラーゼの渋滞が起こらないような処理を、酵素の動きを観察しながら検討もしていました。
固体であるセルロース表面にセルラーゼがどのように結合して、どのように分解するのかは以前から興味がありましたが映像で見れるとは思っていませんでした。すごいですねぇ。
文責:アベ
明日からはもう10月ですね。早いですね〜…。
長原先生は学会で京都へ行かれたみたいですが、私も夏休み中に学会で札幌に行ってきました。
International Union of Microbiological Societies (IUMS) という微生物の国際学会です。

下の写真は北海道大学のイチョウ並木です。

学会会場は北大ではなかったのですが、近かったので見学してきました。あまりに広くて迷子になりました…。
本日はさらにちょっとだけ論文紹介を。
Traffic Jams Reduce Hydrolytic Efficiency of Cellulase on Cellulose Surface
Science, Vol. 333, No. 6047 pp. 1279-1282, 2011.
Science からセルロース分解酵素のお話です。
特に生物環境コースでは興味をもっている人も多い話題なのではないかと思います。
地球上に最も豊富に存在するセルロース系バイオマス(木材)から燃料や原料を効率よく生産することが期待されて、そのためセルロース分解酵素(セルラーゼ)の研究が進められているわけですが、このセルラーゼの反応速度はとても遅く、効率的とは言えませんでした。
ではなぜ、分解反応速度が遅いのか?
実際にセルラーゼがセルロースを分解する様子をリアルタイムで観察することにより、その原因を明らかにしています。(その映像は論文サイトの Supporting Online Material というところで見ることが出来ます。一見の価値ありですよ。)
セルラーゼはセルロースのどこにでも結合してどこでも分解できるわけでは無く、セルロースの繊維に沿って一方方向に進みながら分解しているのだそうです。
セルラーゼは一方向に同じ場所を進んで行くので、詰まって”渋滞”しているということがわかりました。なので、酵素量を増やしても分解速度は速くならないのだそうです。
そのため、セルラーゼの渋滞が起こらないような処理を、酵素の動きを観察しながら検討もしていました。
固体であるセルロース表面にセルラーゼがどのように結合して、どのように分解するのかは以前から興味がありましたが映像で見れるとは思っていませんでした。すごいですねぇ。
文責:アベ
そうだ、京都に行こう。
2011年09月29日
先週の台風はみなさん、大丈夫でしたでしょうか。
今回は論文紹介ではなく、最近の出張の話を。
ちょうど台風が襲来した時に京都で行われた学術集会に参加するため、東京駅に着いたら結局その日は新幹線が動かず。。
次の日にようやく学会会場である京都国際会館に着くことができました。

ここの会場は、京都の上の方にあり(宝ケ池というところです)、あまり近くに食べるところがないのが難点でした。プリンスホテルか、餃子の王将か・・・
そんな中、ここの近くにある京都産業大学の方に教えて頂いたのが 、じゅんさいという洋食屋。
写真は撮り忘れましたが(リンクを見て下さい)、かなりのボリュームがあって、ランチは1000円。
たくさん地元の人が来ていたのもうなずけました。
今度もここに来ようと思います。
ちなみに、京都産業大学はこんな感じのところでした。

山の方にあることもあって、どことなく鳩山キャンパスにも似ていますよね。
生物系の学部もあって、とてもきれいな大学でした。

今回は論文紹介ではなく、最近の出張の話を。
ちょうど台風が襲来した時に京都で行われた学術集会に参加するため、東京駅に着いたら結局その日は新幹線が動かず。。
次の日にようやく学会会場である京都国際会館に着くことができました。

ここの会場は、京都の上の方にあり(宝ケ池というところです)、あまり近くに食べるところがないのが難点でした。プリンスホテルか、餃子の王将か・・・
そんな中、ここの近くにある京都産業大学の方に教えて頂いたのが 、じゅんさいという洋食屋。
写真は撮り忘れましたが(リンクを見て下さい)、かなりのボリュームがあって、ランチは1000円。
たくさん地元の人が来ていたのもうなずけました。
今度もここに来ようと思います。
ちなみに、京都産業大学はこんな感じのところでした。

山の方にあることもあって、どことなく鳩山キャンパスにも似ていますよね。
生物系の学部もあって、とてもきれいな大学でした。

一体コウモリはどうやって捕まえるの?
2011年09月07日
Ganglion-specific splicing of TRPV1 underlies infrared sensation in vampire bats. Nature, Vol. 476, Pages 88-91, 2011.
吸血コウモリはどうやって、暗闇の中で血を吸えるのか?
実は鼻の付近にある感熱センサ(神経)を使っているのですが、このセンサは29度以上のもの(血液なんかは29度以上ですから)を検知できるのだそうです。
ただ、もともとこのセンサ、43度以上のものしか検知できないところが、センサを作っている一つのタンパク質を作り替えることで大幅に吸血コウモリだけは低い温度でも検知できるようになったのだそうです。
とまあ、ここまでは科学的な面白さですが、個人的に疑問だったのは、一体このコウモリさんたちどうやって入手したの?というところ。普通吸血コウモリなんて売っていません。
実はコウモリは南米のベネズエラから入手していました。研究チームはほとんどアメリカの人たちだったのですが、一人だけベネズエラの方がいました。文献にはベネズエラから入手、とあったんで、その方が採取したんでしょうね。ただ、どうやって採取したんでしょう・・・
吸血コウモリはどうやって、暗闇の中で血を吸えるのか?
実は鼻の付近にある感熱センサ(神経)を使っているのですが、このセンサは29度以上のもの(血液なんかは29度以上ですから)を検知できるのだそうです。
ただ、もともとこのセンサ、43度以上のものしか検知できないところが、センサを作っている一つのタンパク質を作り替えることで大幅に吸血コウモリだけは低い温度でも検知できるようになったのだそうです。
とまあ、ここまでは科学的な面白さですが、個人的に疑問だったのは、一体このコウモリさんたちどうやって入手したの?というところ。普通吸血コウモリなんて売っていません。
実はコウモリは南米のベネズエラから入手していました。研究チームはほとんどアメリカの人たちだったのですが、一人だけベネズエラの方がいました。文献にはベネズエラから入手、とあったんで、その方が採取したんでしょうね。ただ、どうやって採取したんでしょう・・・