2012年07月

ロンドンオリンピック!

2012年07月25日

Team Science. Nature, Vol. 487, Pages 290-292, 2012.


科学雑誌、ネイチャーはイギリスで出版されています。


そしてイギリスといえば、もうすぐロンドンオリンピック!


先週のネイチャーでも、特集記事が掲載されておりました(論文ではないですよ)。


題して、チームサイエンス。

オリンピックの裏で頑張っている科学者にスポットをあてた記事です。しかもかなりマニアックなところまで。


まずは心理学者。一体なぜ?と思う人も多いと思います。実はオリンピックの後に行われるパラリンピックの一部競技には知的障害者が参加できる競技があります。ただ、2000年に健常な人が知的障害者として出場していたのが契機となって、この前のバンクーバーオリンピックまで知的障害者はオリンピックに参加できなくなっていました。
そこで、心理学者たちは厳格な定義を定めて、一部の競技において夏の大会でも今回から知的障害者の参加が可能になったそうです。


 また、これはおなじみドーピング検査。ドーピング検査の責任者は、このオリンピックの間、検査センター近くに住んで、オリンピックも見ずに(これは本当でしょうか?)ひたすら検査に明け暮れるそうです。


一番びっくりなのは行動学者。オリンピックは参加する人もそうですが、たくさんの人が観戦にロンドンを訪れます。そこで感染が起きたら・・・たくさんの人にあっという間に感染が広がり大変なことになります。実際にこの前のバンクーバーオリンピックでも麻疹が流行したそうです。
そこで、行動学者の一人の学者は、ロンドンに行くフライト網をデータベース化して、世界のある地域で感染症が流行した際に、一体いつロンドンに襲来するかがわかるようにしているそうです。そうすれば避難計画もたてやすい。起こっては欲しくないですが、起きた時のために、という研究ですね。


いろいろな人が携わっているオリンピック!待ち遠しいですね!

研究室説明会 5

2012年07月23日

こんにちは。
試験やレポート、頑張ってますか?
晴れやかな気分で夏休みを迎えられるよう、しっかり頑張って下さい。


夏休み前の一大イベント、3年生の皆さんへ研究室説明会の連絡です。
7月25日(水)13時半より、12221教室で行います。

夏休み前には仮配属が決定します。必ず出席して下さい

*全体説明後、生命科学コースは引き続き12221教室で、生物環境コースは12226に移動して、それぞれの研究室の説明会を行います。


ゲノム解析、一体どのくらいの細胞数からできるの?

2012年07月18日

Accurate whole-genome sequencing and haplotyping from 10 to 20 human cells. Nature, Vol.487, 190-195, 2012.


いやー、すごいです。


タイトルの答えですが、今回の論文では全てのゲノム解析をたった10個から20個(!)の細胞からやってしまう、という新手法をあみ出したというものでした。しかも正確。

著者らはアメリカのベンチャー会社の方たちで、1995年に設立したようです。いろいろな診断サービスを請け負いながら、自分たちの手法の正確さをアピールしているんですね。

動物性脂肪のとりすぎは腸の病気を招く? 3

2012年07月11日

Dietary-fat-induced taurocholic acid promotes pathobiont expansion and colitis in Il10-/- mice. Nature, Vol. 487, Pages 104-108, 2012.

端的に言うと欧米の食生活の摂り過ぎは病気になるよ、という話です。 

欧米の食事によく含まれる飽和脂肪酸を多く摂ると(この実験では乳製品の飽和脂肪酸を使用)、体内でタウロコール酸という物質ができて、これが腸内にいる細菌の中でも悪玉菌を増やしてしまうらしいのです。


また、不飽和脂肪酸では(サフラワー油を使用していました)、このような悪玉菌は増えなかったそうです。



このような悪玉菌が腸内で増えても、正常なネズミではその後問題なかったのですが、 先天的に炎症を引き起こしやすいネズミ(IL10という抗炎症物質を産生できないネズミ)では大腸炎が起こりやすくなったということが報告されていました。


ということで、欧米の食生活に警告をならしているのですが、特殊な場合のみ今回のケースはあてはまることで、一般の健康な人の場合、 そんなに大腸炎においては問題はないのでは?

結腸がんの方には朗報 3

2012年07月04日

Emergence of KRS mutations and acquired resistance to anti-EGFR therapy in colorectal cancer. Nature, Page 532-536, 2012.


結腸がんのお話です。


結腸がんの特効薬、セツキシマブという薬があります。この薬は、結腸がん細胞の表面に多く存在し、細胞の増殖に関係する、上皮増殖因子受容体(EGFR)にくっついて増殖因子と受容体が結合するのをブロックする効果がある、分子標的薬と呼ばれる薬です。


ただ、 この薬を投与してもしばらく経つとがん細胞に、この薬の耐性ができてしまい、薬が効かなくなってしまうという問題点がありました。一般的に、薬を投与しても細胞中の遺伝子の変化(変異)でもともとの細胞がかわってしまい、効かなくなってしまうという現象、薬剤耐性はよくおこります。


この論文によると、セツキシマブを投与すると数週間して、EGFRの下でシグナルの橋渡しをするKRASというタンパク質が変異してしまい、EGFRと増殖因子が結合してても、もしくはしていなくても常に活性化状態になって増殖を引き起こしているのが耐性の主要因であることを突き止めました。


で、ありがたいことに、このKRASをつくり出すがん細胞のDNAの状態が正常か、異常になったのか、血液に流出したがん細胞のDNAを調べればわかるそうです。つまり、がん細胞を取り出す必要がなく、採血すればセツキシマブが効きにくくなるかどうかがわかる!という素晴らしい発見です。


あまりに素晴らしく、この号では二つのグループが同時にこの内容を報告していましたが、そのうちの一つを紹介しました。

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