2013年11月

HIVは変装の名人

2013年11月25日

HIV-1 evades innate immune recognition through specific cofactor recruitment. Nature, Vol. 503, Pages 402-405, 2013.

エイズのもととなるHIV。ウイルスは自分自身では増幅することができず、宿主(感染相手)の細胞を使って増幅します。

感染すると普通は細胞側の防御機構が働き、ウイルスを除去しようと宿主側の抵抗が起きるのですが、HIVはそれが起きず、HIVが増幅しやすいのだそうです。

なぜ、このような防御機構が作動できないのか?

これにはHIV側のうまい戦略があり、慎重に感染した細胞内で自分の目印をかくしながらうまく自分を複製しているそうです。かくせないように包みを外してしまうと防御機構が作動してしまいます。

変装の名人HIV。悪いことは人でも誰でも堂々とはできないものです。
 

モテるにはやはりおしゃれじゃなきゃ?

2013年11月14日

Mating advantage for rare males in wild guppy populations. Nature, Vol. 503, 108-110, 2013.

昔、グッピーを飼っていました。
水槽も大きいのがいいなあ、とちょっとこだわった時もあったのですが、その当時の友だち(大学時代です)の下宿に行ってびっくり。なんと月2万のアパートに1mを越す水槽が!

度肝を抜かれました。

もっとすごかったのはその水槽の重みで床が傾いていたこと。そりゃ大きい水槽をおいたら確かに重いですが、あのアパートには耐震性なんて考えはあったんだろうか・・・ 


ともかく、この論文はグッピーの色パターンがなぜあんなに多種多様なのかを大々的な実験をしてみたというものです。著者ら(フロリダ州の方々)は実験のためにトリニダード・トバゴに行き、野生のグッピーを捕獲しては尾の色が透明か透明でないかで割合を極端に変えてプールに入れて繁殖させたそうです(ワイルドですね。水槽なんて比ではないです)。


すると、少ない割合の色パターンのオスからの子どもが多くできたんだとか。これは、希少な遺伝子型が有利になる一例と言われ、感染症が蔓延した際とか急激な環境変動があっても絶滅しないように、生物がとる仕組みと言われております。


でなぜ、このようなことが起きるのか。やはりメスが違いがわかるオスが好きだから。ということが指摘されていました。モテはまず見た目の違いから。 

新たなインフルエンザの薬?

2013年11月07日

The TLR4 antagonist Eritoran protects mice from lethal influenza infection. Nature, Vol. 497, 498-502, 2013.

インフルエンザ流行のシーズンがやってきました。
大流行しないといいのですが、どうなるか。

さて、今回の論文はインフルエンザの特効薬になるかも?という研究です。
Eritoranというエーザイが開発中の細菌感染による敗血症治療剤が、インフルエンザウイルスを感染させたマウスの致死率を劇的に改善させたそうです。

実はEritoranは細菌のもつ毒素をブロックする作用をもつのですが、その毒素の受容体を人為的になくしたマウスではインフルエンザウイルスにより死ににくいという知見がもともとあったため、実験してみたらなんと見事に抑えられたということだそうです。

これまでのインフルエンザ薬とは全く作用が異なるので、期待大です。 

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