ガン細胞は周囲の環境を自分の都合のいいように変える 3

2009年01月12日

Carcinoma-produced factors activate myeloid cells through TLR2 to stimulate metastasis. Nature Vol. 457, Pages 102-106, 2009.

新年になり、1回目の研究論文の紹介です。

ガン。恐ろしい病気の一つですが、ガンは、もともと正常だった細胞が、どんどん無制限に成長していくようになり、死ににくくなるといった、細胞自身のガン化が一つの重要な要因です。

もう一つ、ガン化が進むと、他の臓器に移ってしまう(浸潤・転移とよびます)ことも起こります。この場合、ガン細胞自身が転移しやすくなる以外にも、周囲の組織や臓器に働きかけて転移することがあります。

この論文では、ガン細胞がどのように周囲の組織に働きかけるのかを調べたものです。

肺ガンの細胞をマウスに注射したところ、マウスの体内で炎症が起き、それが肺ガン細胞の転移に大きく関わっていることがわかりました。マウス側で炎症作用を起こすのに必要な細胞(白血球)の遺伝子を変化させて炎症が起きないようにすると、ガン細胞の転移成長が劇的に抑えられた。

では、どうやってガン細胞が炎症を起こすのか?調べた結果、肺ガン細胞の表面に多くある糖タンパク質(糖とタンパク質がくっついたもの)の一種がマウス側の白血球に働きかけて炎症を起こして、転移、成長を助けていることがわかりました。

果たして肺ガン以外のガンでもこういうことは起きるのか?など興味はつきませんが、ガン細胞は自分だけではなく、周囲の環境も自分好みに変えてどんどん成長する、かなりオレ様な細胞という話しでした。

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