インフルエンザウイルス感染に使われるモノはこれだ! 3

2010年02月16日

Human host factors required for influenza virus replication. Nature, Vol. 463, Pages 813-817, 2010.

Genome-wide RNAi screen identifies human host factors for influenza virus replication. Nature, Vol. 818-822, 2010. 


今回は一挙に二つの論文紹介!といっても二つともほぼ同じ内容です。



インフルエンザウイルスは、それ自身では自分自身を複製する能力がないので、感染した細胞のタンパク質を使って自分自身を作り上げます。

ということは、感染側の細胞のうち、どのタンパク質が使われてしまうのかを発見すれば、インフルエンザの複製を防止することができるし、そのタンパク質の働きを止めれることのできる新薬が作れます。


ということで、細胞の中のタンパク質を一個一個作らないようにして(RNA干渉、RNAiと呼ばれる方法で行います)、果たしてどのタンパク質が感染に関係しているのかを見て行きました。調べた数は2万個弱です。これはお金を使う研究ですね。実際、2つの論文とも、10人以上がこの研究に携わっています。

その結果、いろいろなタンパク質が見つかりましたよ、というのが2つの論文のあらすじです。

ただ、関係があるっていうタンパク質は、ほとんど同じタンパク質も見つかっていますが、片方の論文だけで見つかったものもあり、これについては今後もっとちゃんと調べる必要があります。膨大な数のスクリーニング実験なんで、 使った材料が少し違っても、がらっと結果が変わってしまうでしょう。


今回紹介した論文のうち、片方の研究グループはドイツ、もう一方はアメリカで、論文を提出(投稿)した時期もほぼ一緒、とかなり似通った研究を同時期に別々のところでやっていたものでした。先に論文を出されてしまうと、研究していた意味がほとんどなくなってしまうし、それまでに使ったお金がぱー!になってしまうのでいきおい、し烈な競争になります。

研究者たちも研究対象以外に、人と戦っているんです、というのがこの論文達のウラでいいたいところ、でしょうか。

 

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