多剤耐性菌は友達思い 3

2010年09月07日

Bacterial charity work leads to population-wide resistance. Nature, Vol.467, Pages 82-85, 2010.

抗菌剤が効かない多剤耐性菌のことが最近ニュースになっていますが、細菌が抗菌剤耐性になるしくみはわかっても、どうやって耐性菌の数が増えるのか?は未だ謎な部分が多いようです。

この論文では抗菌剤に適応できるようになる細菌の数が増えるしくみについて書かれていました。


シャーレの中に細菌を入れて抗菌剤を加えたところ、ほとんどの細菌は死にますが、ある一定数の菌が生き残りました(これが耐性菌)。ただ、そのシャーレから一部の耐性菌を取り出して、また同じ量の抗菌剤を加えてシャーレで培養したところ、生き続ける細菌もありましたが、耐性菌のはずなのになぜか死んでしまう細菌もありました。


つまり、本当に抗菌剤に対して耐性をもつ細菌は全体の一部で、その他の細菌はたまたま生きていたということになります。


では、なぜ、たまたま菌がいたのか?




それは、多剤耐性菌から、抗菌剤を体内から吐き出させ、死ににくくなる物質(インドール)をもらっていたからだったんです。 


多剤耐性菌は一見自分たちには何も得にならないことをしていますが、自分たちの仲間をできるだけ多く救うことで、今後どのような環境の変動がおきても種の一部が対応して生き残れるようにしているのでしょうね。救世主のようです。

われわれ人間からしてみると、全く余計なことですが。 

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コメント一覧

1. Posted by owlwmu   2011年03月21日 15:25
参考にさせていただきました。ありがとうございました。

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