サンドウィッチ超分子 !! 3

2010年10月18日

長原先生につられて…というわけでは全くありませんが、更新遅くなってしまいました、すいません…。


Allosteric Supramolecular Triple-Layer Catalysts.
Science, Vol. 330, Pages 66-69, 2010.


アロステリック制御とは、タンパク質(酵素)が他の化合物 (アロステリックエフェクター) の結合によってその立体構造変化が誘起され、機能が制御される現象、ですね。はい、生化学の講義で必ず出てくるアレですね。生物の代謝制御において非常に重要なこの仕組みを化学合成においても真似てみた、という論文です。

彼らが作ったのは三層の有機金属触媒で、触媒活性をもっている真ん中の層を活性を持たない層が両側から挟み込んでいるという構造になっています。つまりサンドウィッチ状態になっていて、この状態では反応物質は活性部位に近づくことが出来ず、反応が起こりません。

で、この三つの層はリンカー部位によって結合されているのですが、この部分に他の化合物(ここでは塩素イオン)が結合することによってリンカーの構造変化が起こり、層が開かれます。すると、真ん中の活性を持つ層が露出され、活性状態となり反応が進みます。

この構造変化は可逆的で、塩素イオンを取り除くとサンドウィッチ状態に戻り、反応は止まります。つまり、塩素イオン(アロステリックエフェクター)の有無により反応の制御が出来る訳です。
(この論文では、モノマーを重合してポリマーを作る反応で、出来てくるポリマーの大きさを制御する、という実験をしてました。)

真ん中の活性の層を変えるだけで様々な反応に使えるだろうし、効果が厳密なのも素晴らしいです。
触媒の立体構造変化による活性制御については多くの実験がなされているようなので、酵素のアロステリック効果のように、というのは結果的にのようですね…。



さて、すっかり秋らしくなって来ました。
食欲の秋、読書の秋。
秋の夜長に論文、いいですね〜。(アップが夜中になってしまった言い訳ではありませんが…)
大学院生はもちろんですが、学部生の皆さんもぜひ面白い論文を見つけて原文の読破に挑戦してみてはいかがでしょーか?


文責:アベ

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