有機リンリンのはずがっ?! 3

2010年12月04日

本日の論文紹介は、先日「地球外生命の兆候探索に影響を及ぼす宇宙生物学的発見」についてNASAが記者会見を開くということで話題になった例の発見に関する論文です。

A Bacterium That Can Grow by Using Arsenic Instead of Phosphorus
Published online 2 December 2010 (Science Express)


(Scienceですがオンライン版なので、PDFをダウンロードして見て下さいね。)

なんと、リンの代わりにヒ素 (As) を使って増殖する生物を発見したというのです!!
皆さんご存知のように、そしてこのブログでも長原先生が何度かその重要性をご紹介下さったように、リンは地球上の生物全てに必須の元素であったはずなわけです。

リンと言えば、とりあえず核酸ですが、この生物はリンの代わりにヒ素をDNAの構成成分として使えるらしい!!!(DNA中のリン酸と同様、ヒ酸 [AsO43-] の形になっている可能性が高い。)
生命体の概念が変わる…もうっ、衝撃的です…。

で、どんな新種かと思ったところ、ちゃんとした(?)バクテリア(細菌)で、好塩性細菌が多いハロモナスという細菌の仲間のようです。
リンでも増殖することが出来る。(むしろリンの方が増殖速度は速い。)

今回確認したのはDNAだけですが、RNAやATP、NADH、アシルCoAなど、他の重要な生体分子にもヒ素が取り込まれている可能性があるようです。
これらの分子はちゃんと働くのかとか、これらの合成酵素の構造はどうなっているのか(どう違うのか)とか、そもそもリンが先なのかヒ素が先なのか…興味は尽きません。


リン酸とヒ酸の物理化学的性質が似ているためにヒ素でも代用できる、というのであれば、他の不可欠元素ももしかしたら似た元素で代用できる生物がいるのでは?とちょっと考えてしまいますね。
宇宙探査では、まずその環境にどのような元素があるのかどうかを調べて生命体の存在可能性を考えるのでしょうから、NASAにとっても非常に重要な発見だったということですね〜。



文責:アベ


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