植物病原菌を抑制するのは植物ではなく土壌の微生物 3

2011年06月04日

Deciphering the Rhizosphere Microbiome for Disease-Suppressive Bacteria
Science, Vol. 332, No. 6033 pp. 1097-1100, 2011.



生命理工学ゼミ犬任蓮環境コースは野菜の栽培を行っています。それに混じって私も今年はトマトDSC03162と枝豆を育てているのですが、土をいじりながら土壌微生物のことや葉っぱについてしまった病原菌について、栽培そっちのけで思いを馳せてしまいます…。

この論文は、病原性真菌の Rhizoctonia solani(立ち枯れ病菌)に対して抑制する能力を持つ土壌菌群について調べています。ある病原菌が発生した後、その土壌ではその特定の病原菌に対して抑制効果を持つようになることがあるらしいです。つまり、病原菌の発生によって菌叢が選択的に変遷したと考えられます。

どのように調べたかというと、Rhizosphere microbiome、つまり根圏に存在している微生物(主にバクテリア)のゲノムを1つ1つ分類してどのような菌がどれくらいいるかを調べています。1つ1つといっても、ものすごい種類が存在していますので、マイクロアレイという方法を使っています。これでいっぺんにある程度似た種類に分別することができるわけです。33,000種が検出され分類されました。

さらに、その中からもっとも効率的に病原菌を抑制することのできる Pseudomonas 属のある株をが単離され、この菌が抗真菌性のリボペプチドを合成していることがわかりました。
この菌は1種でも抑制効果を示しましたが、アレイの結果では、抑制効果を持つ土壌菌叢には特徴的な分類傾向が示されているので、実際にはこの菌株だけではなく、菌群の集団としての複合的な活性が重要だということです。


環境変化による環境中の微生物群集の変遷については、調べてみたいなーと思っていることの1つでもあるのですが、この論文の方法ではかなりのお金と時間がかかりそうです…。


文責:アベ


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