しばらくぶりになってしまい、(もしかしたら楽しみにして下さっていた方)すみません。
明日からはもう10月ですね。早いですね〜…。

長原先生は学会で京都へ行かれたみたいですが、私も夏休み中に学会で札幌に行ってきました。
International Union of Microbiological Societies (IUMS) という微生物の国際学会です。
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下の写真は北海道大学のイチョウ並木です。

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学会会場は北大ではなかったのですが、近かったので見学してきました。あまりに広くて迷子になりました…。



本日はさらにちょっとだけ論文紹介を。

Traffic Jams Reduce Hydrolytic Efficiency of Cellulase on Cellulose Surface
Science, Vol. 333, No. 6047 pp. 1279-1282, 2011.


Science からセルロース分解酵素のお話です。
特に生物環境コースでは興味をもっている人も多い話題なのではないかと思います。

地球上に最も豊富に存在するセルロース系バイオマス(木材)から燃料や原料を効率よく生産することが期待されて、そのためセルロース分解酵素(セルラーゼ)の研究が進められているわけですが、このセルラーゼの反応速度はとても遅く、効率的とは言えませんでした。

ではなぜ、分解反応速度が遅いのか?
実際にセルラーゼがセルロースを分解する様子をリアルタイムで観察することにより、その原因を明らかにしています。(その映像は論文サイトの Supporting Online Material というところで見ることが出来ます。一見の価値ありですよ。)
セルラーゼはセルロースのどこにでも結合してどこでも分解できるわけでは無く、セルロースの繊維に沿って一方方向に進みながら分解しているのだそうです。
セルラーゼは一方向に同じ場所を進んで行くので、詰まって”渋滞”しているということがわかりました。なので、酵素量を増やしても分解速度は速くならないのだそうです。
そのため、セルラーゼの渋滞が起こらないような処理を、酵素の動きを観察しながら検討もしていました。

固体であるセルロース表面にセルラーゼがどのように結合して、どのように分解するのかは以前から興味がありましたが映像で見れるとは思っていませんでした。すごいですねぇ。



文責:アベ