結腸がんの方には朗報 3

2012年07月04日

Emergence of KRS mutations and acquired resistance to anti-EGFR therapy in colorectal cancer. Nature, Page 532-536, 2012.


結腸がんのお話です。


結腸がんの特効薬、セツキシマブという薬があります。この薬は、結腸がん細胞の表面に多く存在し、細胞の増殖に関係する、上皮増殖因子受容体(EGFR)にくっついて増殖因子と受容体が結合するのをブロックする効果がある、分子標的薬と呼ばれる薬です。


ただ、 この薬を投与してもしばらく経つとがん細胞に、この薬の耐性ができてしまい、薬が効かなくなってしまうという問題点がありました。一般的に、薬を投与しても細胞中の遺伝子の変化(変異)でもともとの細胞がかわってしまい、効かなくなってしまうという現象、薬剤耐性はよくおこります。


この論文によると、セツキシマブを投与すると数週間して、EGFRの下でシグナルの橋渡しをするKRASというタンパク質が変異してしまい、EGFRと増殖因子が結合してても、もしくはしていなくても常に活性化状態になって増殖を引き起こしているのが耐性の主要因であることを突き止めました。


で、ありがたいことに、このKRASをつくり出すがん細胞のDNAの状態が正常か、異常になったのか、血液に流出したがん細胞のDNAを調べればわかるそうです。つまり、がん細胞を取り出す必要がなく、採血すればセツキシマブが効きにくくなるかどうかがわかる!という素晴らしい発見です。


あまりに素晴らしく、この号では二つのグループが同時にこの内容を報告していましたが、そのうちの一つを紹介しました。

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